まつじゅんの働き方研究所

働くことやお仕事に関することを研究している社会学研究者のブログです

塾講師はブラックなのか?

僕は今でこそ、いくつかの大学で教壇に立たせていただいているが、20年近く塾講師として働いてきた。

もちろん、今も続けている。

大学が忙しくなってきたので、そろそろこちらは引退しないといけない感じになってきているが、好きだから続けられている。

塾の多くは3月1日に年度替わりだ。

その日に長年一緒に頑張ってきた同僚が退職した。

別々の教室に勤務していたので、もう何年も会っていないのだが、結婚もして子どもも出来て、私生活は順調そのものだ。

しかし、これが裏腹で、かわいい妻と子どもが家に居ると、帰れない、休めない塾講師は辛い。

土曜日はもちろん、日曜日も出勤の日が多いし、長期休暇も合宿だの、研修だので駆り出される。

おそらく毎日後ろ髪を引かれる思いで出勤していたのだろう。

そんなストレスは彼の身体を蝕み始めた。

先日、二度目の入院が必要な病気に罹患し、そこで彼は心を決めたのだろう。

俺は俺の人生を生きられているのか?

その答えは「否」だった。

だから彼は退職を決意したのだ。

そんな塾講師はブラックなのか?

ブラックだ、と断言はしないでおくが、

正直、塾業界は新卒で入るのをオススメしない。

つぶしの効くスキルが養えるわけでもないし、狭い世界だし、夜や休日メインの仕事なので、職場以外の人脈も広がらない。

20年近く塾講師を続けている僕も職場関係で出来た人脈は皆無に等しい。

教育に関心があるなら、塾講師ではなく教員免許を取って学校で働くことをオススメする。