まつじゅんの働き方研究所

働くことやお仕事に関することを研究している社会学研究者のブログです

行政と市場の間を埋めるボランティアセクター

先日、某大学で開かれた子ども食堂の取り組みについての研究会に参加してきました。大学の研究者、社会福祉協議会の方々、児童養護施設の方など多くの方がいらっしゃっていました。

日本では子どもや老人のケアはそれぞれの家庭の中で行うものとされていました。当然その担い手は女性でした。

やがて核家族化が亢進し、親の面倒をみられる子どもの数が減ってくると老人のケアは老人福祉施設というサービスとして家の外に出ていきます。子どものケアも同様で保育園が働く女性に代わって子どものお世話をしています。

このように、もともとが家という親密圏の中で、そして女性によって行われてきた労働なので、それがアウトソース化されてもその社会的地位はかつての家における女性の地位の低さを引きずっているため、低いままなのは周知のとおりです。

 

そのような現状で、子どもの食をめぐる問題に世間が気づきにくいのは当然といえば当然です。

また、弱者の手当に市場の原理は働きにくいため、民間の力でなんとかするということも難しい。

そこで、期待されるのがNPOを中心としたボランティアセクターの取り組みです。日本はいつでも、行政の支援と市場の原理の仕組みから漏れた弱者の手当をするのは、ボランティアセクターでせっせと汗をかく人びとです。

今回の勉強会では、そのような最前線で奮闘する人や組織のお話が聞けました。

とはいえ、問題もたくさんあるようです。次回はその問題点について考察してみたいと思います。